研究開発事業を推進
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、海洋エネルギー発電技術を実現するため、2011年度から研究開発事業の13テーマを実施しているが、今回、潮流や海流、波力などの4テーマを新たに採択した。
海洋温度差、波力、潮力、海流などを活用する海洋エネルギー発電技術は、地球温暖化対策と共に市場の拡大につながり、欧米を中心に技術開発が進められている。しかし、潮汐力発電が実用化された以外は、採算性、信頼性などの問題があり、まだ実現していない。
今後、NEDOは研究開発を促進し、海洋エネルギー産業の創出やエネルギーセキュリティーの向上も目標とする方針だ。
拡充したテーマ
新テーマでは、離島周辺や沿岸部、海峡などの実海域における実証研究や発電性能の向上、発電コストの低減を目指した技術開発を行う。内容は以下のとおり。
1 潮流に合わせて向きを変える必要がない垂直軸直線翼型潮流発電。低速で回転する垂直軸直線翼と低回転で発電する発電機を組み合わせた小型潮流発電システム
2 水中浮遊式海流発電
3 波のうねりによる上下運動を利用したリニア式波力発電システム
4 橋脚や護岸、防波堤などの港湾構造物を活用した潮流発電システム
株式会社IHIと株式会社東芝による水中浮遊式海流発電は、2011年度から実施しており、今回、実証研究の段階に入る。
これは、双発式タービンを備えた発電装置を海底から係留し、海中に凧のように浮遊させ、黒潮などの海流で発電させる水中浮遊式海流発電システム。昼夜、季節などの変動が少ない自然エネルギーを利用するため、安定的な電源と期待されている。
(画像はプレスリリースより)
NEDOプレスリリース
http://www.nedo.go.jp/IHIプレスリリース
http://www.ihi.co.jp/