FCV導入初期段階
トヨタ自動車株式会社は、燃料電池自動車(FCV)の普及を後押しするため、燃料電池に関連する特許実施権を無償で提供することを発表した。
同社は知的財産(特許)に対してはもとよりオープンポリシーで臨んでおり、第三者からの特許実施の申し込みには適切な実施料で提供してきた。しかし、燃料電池関連の特許では従来の方針をさらに前進させ、無償で特許実施権を提供する。
現段階がFCV導入初期に当たり、FCVを開発する他の自動車メーカーや水素ステーションを扱うエネルギー会社と協調することで、FCVの普及を優先していくという同社の姿勢を示した形だ。
無償提供の内容
燃料電池システム関連の特許については、FCVの製造、販売を行うために特許を実施する場合に限り、特許実施権を市場導入初期まで(2020年末を想定)を期限に無償とする。
いずれもFCVの開発や生産で要となる技術で、例えば、燃料電池スタック(約1970件)、高圧水素タンク(約290件)、燃料電池システム制御(約3350件)などがある。
また、水素ステーション関連の水素供給や製造に関する特許(約70件)については、水素ステーションの設置、運営を行う場合に限り無期限で無償提供し、水素ステーションの早期普及、水素社会の実現を図る考えだ。
手続きは通常の特許実施権と同じで、トヨタと個別に協議して契約書を締結していくことになる。
(画像はプレスリリースより)
トヨタ自動車株式会社プレスリリース
http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/4663446