世界初の実証試験
三菱重工業株式会社は、油圧ドライブ式大型洋上風力発電設備の陸上実証試験を英国ハンターストンテストセンターで開始した。
この大型風力発電設備は、デジタル可変容量制御(Digital Displacement)を行う油圧ドライブトレインを備えており、実証試験は世界で初めてとなる。
同設備の開発に当たっては、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、英国ビジネス・イノベーション・職業技能省、英国技術戦略委員会が支援し、これらの関係者が試験開始を記念する式典(2015年2月4日開催)に参列した。
新型油圧ドライブトレイン
今回の風力発電設備に採用された新型油圧ドライブトレインは、英国ベンチャー企業のアルテミス社(Artemis Intelligent Power, Ltd.)による油圧デジタル制御技術を元にして、三菱重工が同社(2010年に三菱重工が買収)と共同開発したものだ。
油圧ドライブ式で風のエネルギーを油圧に変換した上で、発電機を一定回転数で回す仕組みになっている。つまり、今回の風力発電設備は増速機やインバーターを使用していない。ブレードは長さ81.6m、ハブは高さ約110mで、設備全体では約200mの高さになる。
英国での陸上実証試験後は、福島沖の洋上での実証試験(2015年度の浮体式洋上 ウィンドファーム実証研究事業)を実施する計画だ。
新型油圧ドライブトレインの商用化が実現すれば、洋上風力発電設備専業会社のMHIヴェスタス社(三菱重工とデンマーク、ヴェスタス社の合弁会社)に供給される可能性がある。
(画像はプレスリリースより)
三菱重工業株式会社プレスリリース
http://www.mhi.co.jp/news/story/1502055617.html