小規模緑地で自然と共生
株式会社大林組は、小規模でも鳥が好んで訪れる都市緑地を創出する都市緑化の設計支援ツールを開発した。
近年、自然との共生を目指して生物を誘致する都市緑地の計画例が増えてきたが、都市部の小規模な緑地の場合、評価するモデルが少ないため設計は難しかった。
同社は、鳥の行動を調査した結果に基づいて生物の生息地評価モデルを作成し、このモデルを活用した都市緑地の設計支援ツールを開発した。
複合ビルの屋上庭園にこの設計支援ツールを適用したところ、地上の緑地部分を含まない屋上単独では国内で初めて、JHEP認証(生物多様性への貢献度を潜在的な住みやすさで評価、認証する制度)を取得した。
都市緑地の設計支援ツール
生息地評価モデルは、都市部に生息する樹林性鳥類を指標に公益財団法人日本生態系協会と共同開発したもので、2つのモデルで構成される。
指標種(コゲラ、メジロ、シジュウカラ)が季節ごとに好んで出現する環境を調査した「マイクロハビタット(生息地)モデル」、都市緑地周辺の指標種によって鳥が好んで移動する環境を調査した「移動経路モデル」。
「マイクロハビタットモデル」から緑地を評価して鳥が生息しやすいレイアウトに、「移動経路モデル」からは鳥の移動経路、移動難易度を予測したレイアウトで鳥を呼び込む。なお、鳥類は都市緑地の生態系の上位にあることから指標種としている。
(画像はプレスリリースより)
株式会社大林組プレスリリース
http://www.obayashi.co.jp/press/news20150204_1