熱可塑性樹脂を強化
トヨタ車体株式会社は、スギ間伐材を強化繊維に用いた射出材料を開発し、トヨタ自動車株式会社の新型アルファードとヴェルファイアのハイブリッド車に採用した。
自動車用樹脂部品には熱可塑性樹脂(ポリプロピレン)が用いられる。この樹脂は加熱により軟化し、冷却によって固化する。変形しやすいため、熱可塑性樹脂にガラス繊維あるいは鉱物の粉を添加することでその強度や耐熱性を高くするのが一般的だ。
同社はスギの強度、耐熱性という特性を生かして、樹脂部品の添加物にスギ間伐材の繊維を活用することに成功している(2013年)。部品はランドクルーザー(200系)、エスティマハイブリッドなどのフォグランプブラケットなどに採用された。
難燃性を付与
今回、同社はスギ間伐材の強化繊維を熱可塑性樹脂と混合して難燃性射出材料「TABWD/タブウッド」を開発した。
温度変化に安定的で軽量なスギの特性から難燃性をもつ射出材料を実現し、高温化するエンジン周辺の部品、ワイヤーハーネスプロテクターへの使用が可能になった。この部品は配線をまとめ、保護する役割を果たしている。さらに、他の射出材料より10%も軽量化した。
タブウッドを搭載したアルファード、ヴェルファイアは2015年1月26日に発売されている。同社は、射出材料を使用する製品を増やしていくと同時に、今後もスギ間伐材の用途を開拓する考えだ。
(画像はプレスリリースより)
トヨタ車体株式会社プレスリリース
http://www.toyota-body.co.jp/