バイオガス精製技術
Hitz日立造船株式会社の子会社、Hitachi Zosen Inova AG(HZI)は、2015年2月末にドイツのMT-BioMethan GmbH(MTB)からバイオガス精製の技術やノウハウ、実績、特許、工場などの資産一式を取得した。
HZIはごみ焼却発電プラントの設計、建設、保守などを行っている。同社は、これに先立つ2014年12月、バイオガス(メタン発酵)化の代表的な手法であるコンポガス技術を取得した。
この技術は、生ごみなどの有機性廃棄物を無酸素で、温度を約55度にして微生物の働きによりメタンガスを発生する技術で、世界の30カ国以上が商標登録している。
今回、HZIが取得したのはバイオガス精製でCO2を除去する技術だ。同社は、ごみ焼却発電プラントやバイオガスプラントの事業展開で、バイオガス精製技術とコンポガス技術を組み合わせた多様な提案が可能になる。
EUで高まるバイオガス需要
バイオガスは電気より輸送や貯蔵がしやすく、精製して純度を高めれば、発電や熱供給の他に一般家庭や自動車燃料にも活用できるため、近年ニーズが広がっている。
EUは、再生可能エネルギーを2020年までにエネルギー消費の20%以上にする目標を掲げ、バイオガスの需要も向上している。バイオマス技術の先進国のドイツは、2001年~2014年に6,000カ所を超えるバイオガスプラントを建設した。
MTBはCO2を除去する技術など主要な精製方式をもつ。ドイツ、スイス、フランスなどバイオガスプラント46カ所、コンポガス技術を採用したバイオガスプラント10件に精製装置を納入するなどの実績を誇る。
一方、バイオガスプラントの多くがCO2を除去する精製装置を導入していない。今後、日立造船はHZIと連携して、バイオガスやコンポガスの高度な技術を国内外で提案して、CO2削減に努めていく。
日立造船株式会社プレスリリース
http://www.hitachizosen.co.jp/