将来の発電システム
三菱重工業株式会社は、宇宙太陽光発電システム(SSPS)の無線送電技術の地上実証試験において、長距離の無線送電に成功した。
地上から3万6,000キロの宇宙に太陽光パネルを打ち上げ、静止軌道上の太陽電池で発電後、マイクロ波/レーザーで地上に無線伝送し、地上で受けた電力を電気エネルギーに変換して利用するシステム、これがSSPSだ。
このエネルギーは安全性に問題がなく、枯渇する心配もない。エネルギー問題や地球温暖化問題を過去のものにできる将来の発電システムとして期待されている。
新しい産業への応用も
地上実証試験では、電力10キロワットを送電ユニットから500メートル先の受電ユニットまでマイクロ波で無線送電した結果、LEDライトが点灯した。
送電した電力は国内最大、送電した距離は国内最長、さらにビームの方向を制御したシステムに問題がないことを立証できた。
今回、実証した無線電力伝送技術は、これまで電気を送るために使用してきたケーブルを無線化するもので、SSPSの中核技術として開発している。
長距離の無線送電に成功したことで、宇宙開発のための先端技術の適用範囲は広がった。送電線が敷設できない場所への送電、洋上風力発電から陸上への送電、産業への応用例では、電動車両への無線充電など、さまざまな場面での無線送電の活用が考えられる。
(画像はプレスリリースより)
三菱重工業株式会社プレスリリース
http://www.mhi.co.jp/news/story/1503125626.html