初の海外での水素実証試験
株式会社東芝は、スコットランド地方政府が公募した再生可能エネルギーの活用を促進する「Local Energy Challenge Fund」に採択され、大規模水素実証試験に共同参画することになった。
同国は2020年までに総電力を再生可能エネルギーに切り替える目標を掲げ、風力などの再生可能エネルギーを積極的に導入している。
ファイフ州のメチル港は1970年代まで石炭輸出港だったが、現在、港内をメチルタウンとして再開発して再生可能エネルギーを手がける企業を誘致している。
今回の実証試験をこの地域で実施することで、エネルギーの地産地消からCO2排出ゼロまでを実現する計画だ。
実証試験に参画するのは、ファイフ州、水素関連設備を扱う非営利企業のBright Green Hydrogen Ltd.など8団体で、2015年~2020年に行う。東芝にとっては水素に関する初めての海外での実証実験となる。
東芝の水素EMS
実証試験では、風力発電と太陽光発電で発電した再生可能エネルギーを水電解装置で水素に変換し貯蔵する。水素ステーションを通じて貯蔵した水素を業務用ハイブリッド車両25台の燃料にする。また、燃料電池を用いて施設に電力を供給していく。
同社は、再生可能エネルギーによる発電システム、水電解装置、燃料電池と、これらを管理する「水素EMS」を提供し、電気の需給予測に基づいた最適な制御で水素を製造、貯蔵する。
実証試験で得たシステムの運用データは、今後の水素事業に役立てる考えだ。
株式会社東芝プレスリリース
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