交通業界、物流業界それぞれの課題
岩手県北自動車株式会社(以下、岩手県北バス)とヤマト運輸株式会社(以下、ヤマト運輸)は、路線バスで宅急便を運送する「貨客混載」を平成27年6月3日から開始した。
岩手県北エリアを中心に広域のバス路線網を運営する岩手県北バスは、高齢化や過疎化の進む中山間地域で顕著な乗客数の減少と路線網の維持を課題にしている。
ヤマト運輸は、岩手県で高齢者の見守りと買い物支援を提供する「まごころ宅急便」を展開する一方で、長距離トラックのドライバー不足などから物流の効率化に迫られている。
貨客混載で連携
両社はバス路線の生産性向上と物流の効率化を図るため、このたびの「貨客混載」で相互連携を実施することになった。
今回、岩手県北バスは路線バスの車両後方の座席を減らして荷台スペースにし、専用ボックスを搭載した車両を開発した。空きスペースで荷物を輸送する貨客混載によりバス路線の生産性を向上できれば、路線網の維持が実現する。
ヤマト運輸は、岩手県の重茂半島行きの宅急便に「都市間路線バス」と「重茂路線バス」を活用することで、重茂半島行きの荷物を宮古営業所に取りに戻る必要がなくなる。宅急便の一部をトラックの代わりに路線バスで輸送することで物流が効率化する。
さらに、トラックの運行を路線バスに切り換えることでCO2排出量も低減する見込みだ。
(画像はプレスリリースより)
岩手県北自動車株式会社、ヤマト運輸株式会社 プレスリリース
http://www.yamato-hd.co.jp/