水素社会の到来に備える
清水建設株式会社は、安全性と経済性を備えた水素関連施設の設計を可能にするため、水素ガス爆発の影響を予測するシミュレーションシステムを開発した。
東京オリンピック・パラリンピックの選手村を水素タウンとする計画が決定するなど、国や地方自治体は、水素ガスをクリーンエネルギーとして活用し、水素社会の到来に向けた取り組みを進めている。
その一方で、水素ガスには、漏洩してできたガス溜まりが爆発を招くというリスクが伴う。ガス溜まりを避けるため、水素関連施設は屋外に設置されている。
水素関連施設の設計に反映
建物内のガス漏洩については、ガスが漏れない機構やガス溜まりを発生させない建物形状、換気、通風の確保などの対策を講じられ、爆発の発生時には施設の意匠・構造で被害を抑制できる。
同社は、水素ガス爆発の影響を予測するシミュレーションシステムを開発し、意匠・構造計画の安全性や経済性を追求することを考えた。
システムは、空気の流れやガスの拡散を予測する数値流体解析プログラムに、水素ガスの燃焼過程を予測する解析モデルを組み込んだもの。漏洩した水素ガスの拡散過程、火炎の拡大や爆風圧の伝播、壁や天井への圧力などを経時予測する。
システムの予測精度は爆発実験や検証解析で確認済み。シミュレーションには1パターンに1~2週間ほどかかる。シミュレーションを反復して得られた予測結果は意匠・構造計画の策定に反映される。
清水建設株式会社 プレスリリース
http://www.shimz.co.jp/