騒音源に音を重ねる
大阪ガス株式会社は、低周波音の騒音を低減する小型ANC(Active Noise Control)装置「スポットサイレンサー」を開発した。株式会社ササクラが2015年7月1日に発売する。
吸音や遮音が難しい低周波音(周波数100ヘルツ以下の低い音)の対策に、騒音源と逆の波形の音を重ねて相殺することで低減するANCの手法がある。
空調ダクトのような狭い密閉空間では有効な手法だが、工場や建設現場など空間的に広がる騒音の場合、現場ごとにマイクやアンプ、パソコンなどの制御機器を配置するため、手間やコストがかかり実用的ではなかった。
他社技術の活用で量産へ
今回、大阪ガスは、騒音源の隣に設置するだけで、広い空間に広がる騒音を低減できる装置を開発した。小型で一体型のANC装置で、構成機器の仕様、配置を現場に合わせて設計する必要はなく、設置時の簡易なプログラム設定のみで使用可能となっている。
この装置は、株式会社キャットシステムとのライセンス契約で開発され、オープンイノベーション(他社の技術やアイデアと組み合わせて革新的なビジネスモデル、製品を開発する取り組み)の活用により、ユーテック株式会社が量産を実現した。
「スポットサイレンサー」は、ガスエンジンコージェネレーション(熱電併給)システムなどの静音性向上や商業施設や工場におけるコンプレッサーや変圧器の騒音対策に効果を発揮する。
(画像はプレスリリースより)
大阪ガス株式会社、株式会社ササクラ プレスリリース
http://www.osakagas.co.jp/