漏水で水道収入が得られない
株式会社日立製作所は、排水地域内で漏水量の多いエリアを推定して漏水管理業務を効率化する漏水管理システムを、東南アジアなどの新興国に向けて販売開始した。
新興国の浄水・造水施設は整備されてきたが、水道管からの漏水のために水道事業者が収益を得られない状況がある。この問題は水道料金の高騰を招くと共に、漏水箇所からの異物流入で水質の悪化につながる。
これに対して、配水管のノイズなどで漏水を検知するシステムでは高密度のセンサーが必要とされ、周辺環境によっては漏水を検知しにくかった。
漏水量の多いエリアを推定
同社は、水道管網からの流量・圧力センサー情報と、水道管の材質や老朽度などのアセット情報、さらに、水道管網中の水流のシミュレーションから流量、流速、圧力を推定する技術とを組み合わせた漏水管理システムを開発した。
このシステムは個々の漏水位置や規模を推定する代わりに、漏水の総量が多い小エリアを推定することで漏水多発エリアを推定する。新たに設置するセンサー数は少なくて済み、低コストで漏水管理の効率化が図れる。
販売に先立ち、シンガポール共和国の水道管網で2013年8月~2014年9月にフィールド試験を実施した。消火栓からの放水で漏水を模擬したところ、模擬漏水の特定に成功し、システムの有効性を確認できた。
同社は漏水率の課題を抱えた国を対象に、漏水管理システムを拡販する方針だ。また、独自に開発した、配水ポンプの最適吐出圧を自動制御する配水コントロールシステムも併せて提案する。
(画像はプレスリリースより)
株式会社日立製作所 プレスリリース
http://www.hitachi.co.jp/