離島の再生可能エネルギー導入を促進
日立化成株式会社は、沖縄県波照間島で利用する電力系統安定化装置向けに新型鉛蓄電池「LL1500-WS」を納入した。
環境省は、離島での再生可能エネルギーや省エネルギーの事業計画の策定や設備の導入に対して、補助事業の「離島の再エネ・減エネ加速化事業」を推進している。
離島では、電力系統が本土と連係しておらず、ディーゼル発電に依存しているため、高コストやCO2の影響が懸念される。また、再生可能エネルギーのシステムは天候に左右されて出力が安定しないことから、小規模な電力系統と接続すると電力系統全体が不安定化する恐れがあるためだ。
沖縄電力株式会社は環境省の補助事業を活用して離島に設備を導入し、電力を供給している。現在、波照間島では、4台のディーゼル発電機(合計850キロワット)と2台の可倒式風車(合計490キロワット)が稼働している。
風力発電とディーゼルとの併用を実現
今回、日立化成は、富士電機株式会社からの受注で、与那国島に続き、波照間島の電力系統安定化装置に鉛蓄電池を納入した。同島の風力発電による大きな出力変動に対応する目的があった。
電力系統安定装置の導入で風力発電(再生可能エネルギー)の発電時の出力を安定化し、ディーゼル発電機との併用で化石燃料を削減する計画である。
同社は、富士電機製の交直変換装置(600キロボルトアンペア)を据え付けた同装置に、250個の鉛蓄電池「LL1500-WS」を直列に接続し、それを2個並列に接続した電池を使用した。蓄電池容量は1500キロワット時。
「LL1500-WS」の期待寿命は従来型と同じ17年間だが、単電池の放電電量は1.5倍ある。再生可能エネルギーの出力変動緩和など、瞬間的に出力が変動する場合、少ない単電池数で高い放電電量を得られる。
(画像はプレスリリースより)
日立化成株式会社 プレスリリース
http://www.hitachi-chem.co.jp/