電波を有効利用
TOTO株式会社は、「電池不要なエコリモコンの実用化」により、第26回「電波功績賞」電波産業会会長賞を受賞した。同賞は本来、通信技術や放送技術分野での受賞が多く、TOTOとしてもトイレ機器用リモコンとしても初の受賞となる。
受章した技術は、選択ボタンを押す力で自ら発電して制御信号を送信するというもの。電波を有効利用した点が評価された。
パブリックトイレのリモコンの場合、電源工事不要(省施工性)と電池交換不要(省管理性)は両立しない。選択肢は「電池交換管理不要で電源工事が必要な電源式リモコン」または「電源工事不要で電池交換管理が必要な電池式リモコン」の2択だった。しかし、ボタンを押す力で自ら発電する「エコリモコン」が、省施工性と省管理性を両立させた。
電波通信技術と発電技術
2011年当時、電波通信技術の低消費電力化と身近な小さなエネルギーを電力に変換する環境発電デバイス(発電機)の高出力化が進んでいた。ついには、電波方式の消費電力が赤外線方式の約100分の1となり、環境発電デバイスの発電量に見合ったことから、「エコリモコン」が発想された。
約3年後、消費電力量の少ない電波通信技術と、ボタンを押す力で発電する発電技術(エナジーハーべスティング技術)の組み合わせで「エコリモコン」が誕生した。通信にかかる電力も自らの発電でまかない、電源工事も電池交換も不要。節電と資材の削減も実現するリモコンだ。
発電機1つでボタン9つを操作する経済性と、ユニバーサルデザインで軽くなったボタン操作性を確保して、エコリモコンは製品化された。2014年10月発売の「ウォシュレットPS」と2015年2月発売の「パブリック向けウォシュレット一体形便器」に採用している。
(画像はプレスリリースより)
TOTO株式会社 プレスリリース
http://www.toto.co.jp/company/press/2015/06/17.htm