MBR下水処理システム
株式会社クボタと株式会社東芝は、国内の小規模下水処理場で活用されているMBR下水処理システムの中大規模処理場への普及を図るため、省エネルギー化技術を共同開発することに合意した、と2015年7月9日に発表した。
MBR下水処理システムは、微生物による生物処理と膜による固液分離処理を組み合わせた水処理方法、MBR(Membrane Bio-reactor 膜分離活性汚泥法)を活用したもの。
安全性が高く、処理施設を省スペース化する技術で、下水処理場の高度処理化や処理水の再利用可、下水道未普及地域の解消を実現する。下水市場での普及が期待されているが、電力使用量がかかるため、国内では、主として小規模処理場の新設に導入されている。
省エネルギー化技術
従来のクボタのMBR下水処理システムでは、水処理施設の電力使用量の9割以上を膜分離装置や反応タンクに空気を供給する送風機が占めている。今回の共同開発で、このMBR下水処理システムの電力使用量を50%削減することを目指している。
両社は、下水処理場の個々の運転状況に合わせて供給空気量を最適化する制御技術と、高性能膜分離装置と組み合わせることで省エネルギー化を図る計画である。つまり、東芝のプロセス制御などのソフト技術とクボタの膜ユニットなどのハード技術を共同で確立していく。
開発したMBR下水処理システムの省エネルギー化技術は、閉鎖性水域の富栄養化防止や環境基準達成が必要とされる下水処理施設への普及拡大を見込んでいる。
共同開発の概要は「下水道展‘15東京(2015年7月28日~31日・東京ビッグサイト)」に展示される。
(画像はプレスリリースより)
株式会社クボタ プレスリリース
http://www.kubota.co.jp/new/2015/15-36j.html下水道展’15東京
http://www.gesuidouten.jp/index.html