アルミ廃棄物から資源・エネルギーを取り出す
アルハイテック株式会社(以下、アルハイテック)は、リサイクルが困難だったアルミ系廃棄物からアルミを分離して、抽出した水素を発電に利用するシステムを開発した。
システムの手順は、まず、紙・アルミ・プラスチックの複合材廃棄物(アルミ付き紙パック等)からパックパルパー(分離機)でパルプ成分を取り出す。
次に、残ったアルミ付きプラスチックを加熱し、ガス・オイルと高純度のアルミに分離する。加熱には、空気を絶ち燃焼を抑えることで熱分解する装置、
乾留炉を用いる。
分離回収したアルミを
水素発生装置で
特殊アルカリ溶液と反応させると水素が発生する。この溶液は水酸化ナトリウム水溶液に触媒を加えたもので、アルハイテックが独自に開発した。
製品化に向けた検証に着手
アルハイテックは、2014年12月からNEDOプロジェクト「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」で、乾留炉と水素発生装置を開発し、システムの有効性を検証する試験を行ってきた。
今回、システムの実用化にめどが立ち、装置の規模を拡大した実働工場での検証を開始する。朝日印刷株式会社の協力により同社の工場敷地に2015年中に装置を完成させ、2016年から運用する予定である。
この検証では、運転条件の明確化や資源・エネルギーの回収率の向上を図る。個々の装置が連動して稼働すること、経済的に普及が見込めることも確認し、製品の完成度を高めていく方針だ。
装置の導入先として印刷工場、パッケージ工場、金属工場等を想定し、装置、特殊アルカリ溶液の販売やリース、運用支援、装置メンテナンスを手掛ける「システム販売」を行っていく。
(画像はプレスリリースより)
アルハイテック株式会社 プレスリリース
http://www.alhytec.co.jp/info/2015_07_10.html