ディマンドレスポンス
株式会社NTTデータは、ダイキン工業株式会社、株式会社日本総合研究所と共同で、再生可能エネルギー利用を拡大する「テーラーメイドADRシステム」の活用に向けた実証前調査をポルトガル共和国で開始すると2015年8月12日に発表した。
「テーラーメイドADRシステム(テーラーメイド自動ディマンドレスポンスシステム)」は、電気の利用者に合わせて空調機などを自動で運転管理するもの。
利用電力量の増減により電力の供給量と需要量のバランスを調整する手法がディマンドレスポンスだが、システム側が自動的に空調機の温度制御やオンオフを行い、利用者の快適性は重視されていない。
利用者の行動パターンに応じた温度設定を制御する機械学習機能をもつ新たなシステムがテーラーメイドADRシステムである。
ポルトガルでの実証事業
同社ら3社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ポルトガル共和国における自動ディマンドレスポンス実証事業」に委託された。
同国は、2013年時点で総電力消費量の平均49.2%を占めていた再生可能エネルギーの割合を、2020年までに55.3%にする目標をもつ。
そのため、再生可能エネルギーに有効なディマンドレスポンスの目的である電力利用のピークカット、ピークシフトに加え、風力の発電量が多い時、利用者に電力利用をシフトする信号を送るなど、風力発電や太陽光発電などの利用拡大を計画している。
実証前調査は、同国リスボン市の公共ビルや商用ビルなどの大規模利用者から一般家庭までを対象に、風力発電電力、電力卸取り引き市場価格、消費電力パターンなどの監視・分析を2015年8月下旬~2016年1月末に実施する。
NEDOの事業化評価後、2018年度末までの実証事業でテーラーメイドADRシステムを開発する予定である。
株式会社NTTデータ プレスリリース
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