持続可能な天然ゴム資源が必要
住友ゴム工業株式会社は、新たな天然ゴム資源として着目した「ロシアタンポポ」の実用化を検討するため、米ベンチャー企業との共同研究を開始した、と2015年8月5日に発表した。
同社は、世界的に拡大するタイヤ需要に対して、タイヤ製造で約60%を占める石油・石炭などの化石資源の使用比率を下げること、持続可能な天然資源を活用することを重視している。
天然ゴム資源はアジア産が全体の約90%を占めているが、輸送面に考慮すべき環境課題がある。そこで、ロシアタンポポをパラゴムノキに代わる天然資源として研究することにした。ロシアタンポポは北米など世界各地の温帯地域で栽培できる利点をもつ。
双方の技術を融合
今回、共同で研究するパートナーは、米国・ミズーリ州を本拠とするKultevat(カルテヴァット)社。植物をバイオ燃料とする技術や植物の商業利用についての多様な経験をもつ。
一方、住友ゴム工業は、環境負荷を低減するタイヤに取り組み、これまでに、世界初の100%石油外天然資源タイヤ(エナセーブ100)や高純度天然ゴムで高機能化した低燃費タイヤ(エナセーブNEXT)を開発してきた。
両社はロシアタンポポの実用化を実現するため、バイオマス技術や環境負荷低減技術、石油外天然資源化などの双方の技術を融合させる考えだ。
同社は共同研究において、天然資源としての活用とともに、原産地域の多様化を図り、製造拠点での調達を安定化、効率化することも目指していく。
(画像はプレスリリースより)
住友ゴム工業株式会社 プレスリリース
http://www.srigroup.co.jp/