窓や壁面への活用が求められる
三菱化学株式会社は、有機薄膜太陽電池を使用した「シースルー発電フィルム」を開発・実用化したことを2015年8月7日に明らかにした。
都市部で太陽光発電を利用する場合、太陽光パネルの設置場所をどこにするか、より多くの発電量をどう確保するかを考慮する必要がある。
従来の無機系太陽電池は建物の屋根や屋上に活用できても、窓や壁面、屋根に設置したトップライトなどには対応が難しかった。透明性(シースルー性)や色、重量がネックになるためだ。
有機薄膜太陽電池を使用
同社は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「有機系太陽電池実用化先導技術開発」の採択を受け、有機薄膜太陽電池を窓や建物の外装に使用する実証実験に取り組んできた。
このたび、窓用フィルムに実績があるスリーエム ジャパン株式会社の協力を得て、「シースルー発電フィルム」を開発し、透明、軽量、フレキシブルという特徴を備えたことで、窓への設置を実現した。太陽電池の設置が困難だった他の場所にも対応が可能な製品となっている。
今後、同社は太陽電池のエネルギー変換効率や耐久性のさらなる向上を図り、市場を開拓していく方針である。
(画像はプレスリリースより)
三菱化学株式会社 プレスリリース
http://www.m-kagaku.co.jp/newsreleases/00274.html