BAT開発に出資
三菱重工業株式会社は、オマーンの財閥企業のスヘイル・バーワン・グループ(SBG)とともに米国ベンチャー企業のアルタエロス・エナジーズ社(Altaeros)に出資し、同社の空中浮体式風力発電設備(Buoyant Airborne Turbine、BAT)の開発と商用化を支援することに3社で合意したと2015年8月27日に発表した。
BATを開発しているAltaerosはマサチューセッツ工科大学発のベンチャー企業で、同社の開発プロジェクトには、米国農務省や米国立科学財団などの政府・地方政府機関、有力企業からの支援も見込まれている。
オマーン最大の企業グループSBGは、肥料製造やエンジニアリング、建設など多分野にわたる事業を中東、インド、アフリカ地域で行っている。
Altaerosは、三菱重工とSBGの出資がBAT開発への強力な支えとなり、電力の供給やインターネット環境が不十分な状態に置かれた世界中の人々の問題解決に取り組むことができると受け止めている。
上空で発電
BATは、ヘリウムガスを充填して地上から約600mの上空に浮かんだ状態で風力を利用して発電する空中浮体式風力発電設備である。従来の風力発電設備より2倍以上の電力量を発電する。
この発電設備は設置や運搬が容易であるため、遠隔地での据え付けや送電網が未整備な地域、島嶼、僻地あるいは災害地域での電力供給を可能とする。ディーゼルエンジンが多用されている地域でもコスト面で対抗できるという。
また、通信設備の搭載による通信サービスの提供をはじめ、各種の監視や観察、セキュリティ・サービスなど多様な活用方法が想定でき、多目的な技術プラットホームを実現する。
三菱重工株式会社、スヘイル・バーワン・グループ、アルタエロス・エナジーズ社 プレスリリース
http://www.mhi.co.jp/news/story/150827.htmlアルタエロス・エナジーズ社
http://www.altaerosenergies.com/