石炭をクリーンなエネルギー資源に
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2015年9月18日、高効率化、低炭素化を図った究極の高効率石炭火力発電の開発に着手すると発表した。
経済産業省が2015年7月の「長期エネルギー需給見通し」で、2030年に石炭が総発電電力量の約26%になる、とするなど石炭は低価格で安定供給性の高いエネルギー資源と目されている。
今後、CO2発生量が多い点など石炭の環境負荷を抑え、高効率でクリーンなエネルギー源とすることが求められる。
NEDOは石炭火力発電の低炭素化を実現するため、事業総額約7億円となる「燃料電池向け石炭ガスクリーンナップ技術要素研究」(2015年~2017年度)を電源開発株式会社に委託し、2025年頃を目処に石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)の技術確立を目指すとしている。
IGFCの技術を確立
究極の石炭火力発電技術のIGFCは、石炭のガス化に加えて、発電形態3種(燃料電池、ガスタービン、蒸気タービン)を組み合わせたもの。これは、超々臨界石炭火力発電(USC)が達成した約40%の発電効率を約55%まで向上し、CO2の排出量を約30%削減する技術である。
この技術を確立するには、石炭ガス化ガスが微量に含む被毒成分を除去して、燃料電池の性能劣化を抑えることが必要となる。今回の研究では、燃料電池の被毒耐性を評価し、被毒成分を可能な限り除去した燃料電池用の石炭ガスクリーンナップシステムを開発する。
(画像はプレスリリースより)
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 プレスリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100455.html