スマートコミュニティ実証事業
NEDOと田淵電機株式会社は、2015年11月20日、カナダ・オンタリオ州オシャワ市において太陽光パネル・蓄電池併用のインバータシステムの実証運転を開始した。
凍害などを原因とする停電が年間200回以上発生している同市では、電力供給の安定化が求められている。NEDOはこの問題を解決するため、カナダで初めてのスマートコミュニティ事業を田淵電機、オシャワ市、オシャワ電力と協力して実施する。
太陽パネル・蓄電池併用のインバータシステム
実証事業では、同市内の全30戸の家庭に太陽光パネルと蓄電池を備えたハイブリッドインバータシステムを設置し、停電などの非常用電源としての活用と電力会社の遠隔出力制御による系統安定化に取り組む。
同システムは太陽電池と蓄電池を1台で制御可能な上に、蓄電池から系統への逆潮流を防止する制御機能も備えた日本独自の技術である。2016年度末までの約1年間、このシステムの性能評価とビジネス性の評価を行う。
性能評価では、太陽電池の出力や蓄電池の充放電状態、各家庭の消費電力を検証して、同市に最適な太陽電池容量、蓄電池容量を確認する他、蓄電池の充放電制御をはじめとするシステム運転方法も確立する。
ビジネス性評価では、システムを各家庭の所有物とする代わりに、電力会社が一括購入してリースするビジネスモデルを確立し、家庭・電力会社双方のメリットを図る計画だ。
NEDOはこの実証事業により、再生可能エネルギーと共存した災害に強い住宅モデルの確立と、他地域への展開につながるビジネスモデルの構築を目指していく。
(画像はプレスリリースより)
NEDO プレスリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100488.html