サッポロビールなどに委託
NEDOは、タイ王国内に設置したバイオエタノールのパイロットプラントで実証運転を行った結果、バイオエタノール製造コスト削減技術の有効性が実証されたと2015年11月12日に発表した。
これは、NEDOとタイ科学技術省国家イノベーション庁(NIA)が2011年度に立ち上げ、サッポロビール株式会社と磐田化学工業株式会社に委託した実証事業である。
2014年4月、同国サケーオ県にキャッサバパルプからバイオエタノールを製造するプラントを竣工し、バイオエタノール製造コスト目標達成に取り組んだ。
バイオエタノール製造コスト削減技術
実証事業では、発酵工程での冷却エネルギーの低減や酵素投入のタイミングと投入量の改良による発酵液粘度の低下を実現することで、設備費の削減などを目指した。
そのために、開発した高温発酵酵母で糖化と発酵を同時に進める並行複発酵を採用し、1年半、実証運転を継続した。得られたデータをスケールアップ機(商用機)に適用した場合、目標値の1リットル当たり15タイバーツを達成することがわかった。
今後、NEDOはキャッサバパルプエタノールの事業関係者などに同技術を周知し、同国のバイオ燃料増産につなげていく。すでに、11月11日、普及セミナーをバンコクで開催した。
さらに、キャッサバイモを栽培する他の東南アジア地域への技術普及も図り、温室効果ガスの排出削減に貢献する考えだ。
(画像はプレスリリースより)
NEDO プレスリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100486.html