次世代エネルギー「石油を生む藻」
仙台市南生浄化センターで先月から、「石油を生む藻」から下水の生活排水や汚泥からオイルを作るといった大きな可能性を秘めた世界初のプロジェクトが始まりました。
ここでいう「石油を生む藻」は、沖縄の海から発見された「オーランチオキトリウム」という藻で、下水や汚泥に含まれる有機物を取り込んで増殖するため、次世代バイオマス燃料として注目されています。
また、「オーランチオキトリウム」は、光合成で増殖する従来の藻に比べて10倍以上のオイルが生産できるといわれています。
絶滅危惧種保護にも期待
さらに、現在は絶滅危惧種の深海ザメから採取している「スクアレン(化粧品や健康食品、インフルエンザ・ワクチンの材料にもなるといわれている)」が、「オーランチオキトリウム」から生まれるオイルを精製してできることから絶滅危惧種を保護する新発見としても期待されています。
この「石油を生む藻」の研究は、東日本大震災以降の2011年11月に、筑波大学が「藻類の生産技術確立」、東北大学が「オイル抽出・生成技術確立」、仙台市が「下水処理施設を中心とした協力」という役割分担で協定が結ばれ、10年以内の実用化に向けて今も共同研究が進められています。
編集部 つつみ さえこ
「走り出した夢のプロジェクト 藻から次世代エネルギーが生まれる」仙台市
http://www.city.sendai.jp/shicho/message_20130430.html