夏を前に近江蚊帳の出荷がピークを迎える
気象庁の3ヶ月予報では、今年の夏は暑いという。電気料金が値上げされる中、節電とエコ志向が高まり夜を涼しく快適に過ごすために、昔ながらの蚊帳が見直されている。京都新聞が麻素材を使った近江蚊帳の出荷が滋賀県・米原市の製造所でピークを迎えていると報じている。
画像は近江蚊帳の公式サイト。
近江蚊帳
近江蚊帳は萌葱色が特徴で、室町期に生まれた。近江上布で知られる麻織り技術と丈夫さから江戸期に近江商人の西川 甚五郎 (2代)が全国に広めた。戦後も湖東、湖北を中心に生産されたが冷房や殺虫剤が登場し、ほとんど作られなくなったという。
しかし、冷房や扇風機、蚊取り線香などが苦手の人は多く、蚊帳は消滅することは無かった。
見直される蚊帳
電力に頼らない蚊帳は東日本大震災の被災地でも活用され、最近は節電や健康志向で問い合わせが増えてきている。
1880年創業の老舗「近江蚊帳」(滋賀県米原市)では、伝統の麻蚊帳作りを続けており、今年も5月に入って蚊帳を製作している。麻糸を風通し良いように粗い目に織り、昔ながらの萌葱色や浅黄色に染める。作業場では縫製した蚊帳を広げて傷や色むらがないか確認する出荷準備に追われている。
また、少し小ぶりのペット用の蚊帳も2万円台で販売している。愛犬が蚊に刺されるのを防ぐのに役に立つかもしれない。
昔は家族が一つの蚊帳に川の字になって寝るのが平均的な日本の夏の夜だった。過去に、蚊帳を体験した人の中には、中に入ると何故か安らぎを覚え、安心して眠れる経験をした人も多いのではないだろうか?
近江蚊帳
http://oumikaya.com/index.html京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp