ZEB実現に貢献するシステム
大成建設株式会社は省エネルギーと快適性を両立する「超省エネ型タスク・アンビエント空調システム」を開発した。
このシステムは人の作業する領域である「タスク」とその周辺の空間領域である「アンビエント」の空調をそれぞれ別のシステムで行うことで、全体を効率的で快適にコントロールする。技術センター内のZEB実証棟で検証を実施し、一般のビルと比較して空調エネルギーを75%削減する見込み。
政府が2020年の新築公共建物におけるZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)の実現を打ち出したことから、省エネ・創エネのシステムの開発が盛んになってきた。オフィスビルの消費エネルギーの約4割を空調消費エネルギーが占めるため、この削減が重要だ。
超省エネ型タスク・アンビエント空調システム
タスク空調は、温度・湿度を調整するパーソナル空調ユニットと自動開閉するパーソナル吹出口で構成される。
在籍状況を自動的に検出し、人がいる領域に開いた吹出口が外気導入量を制御。これで効率化を図る。さらにPC操作で吹出風量の調整ができ、好みに応じた快適な空調になる。
アンビエント空調は、天井コンクリートスラブに埋め込んだ配管に冷水を循環し、部屋全体を放射空調する。排熱温水の熱エネルギーを利用した燃料電池をZEB実証棟内に設置して、循環する水を冷房する。排熱温水を循環させれば暖房として部屋を暖め、消費エネルギーは大幅に削減。
同社はこのシステムの検証後、さまざまな省エネルギービルに提案していく。
大成建設株式会社プレスリリース
http://www.taisei.co.jp/