「あべのハルカス」の省CO2、省エネに貢献
株式会社日立製作所は日本一の超高層ビル「あべのハルカス」に熱源設備の最適化制御システムを納入し、本格稼働を開始した。
(画像はプレスリリースより)
3月に全面開業した「あべのハルカス」は駅、百貨店、美術館、オフィス、ホテル、展望台が入居する地上60階建て、高さ300mの複合施設。年間約5000トンのCO2削減を目指したエコ先進技術を取り入れている。
同社の最適化制御システムはその一つ。空調の熱源となる冷凍機や冷却塔など、膨大なエネルギーがかかる熱源設備を制御するシステムで、同ビルのCO2削減と省エネルギー化に貢献するものだ。
最適化制御システム
このシステムは、熱源設備からリアルタイムに稼働情報を収集・演算し、CO2排出量やランニングコストが最も低くなる制御目標値を算出、熱源設備に自動で指示を出す。
同ビルの熱源設備は電気式とガス式を組み合わせた構成のため、どちらを優先運転するか、どのような制御設定値で運転するか、など最適化制御にはきわめて複雑な演算が必要だが、これをリアルタイムで実行している。
今回、熱源設備で使用する電気・ガスのエネルギーデータ、熱源設備から収集される熱量、温度、流量などのアナログデータを一元管理・見える化するシステムも併せて導入した。
これでエネルギー消費効率、CO2効率、運転コスト効率に基づいた運転管理が可能になる。また、ビル内の専用ネットワーク上のパソコンでグラフにして閲覧でき、施設管理関係者で情報共有を図れる。
なお、この熱源設備の最適化制御システムは、同社の統合エネルギー・設備マネジメントサービス「EMilia(エミリア)」に組み込み、10月に販売する予定。
株式会社日立製作所プレスリリース
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