ECMセメントの課題を克服
株式会社竹中工務店、鹿島建設株式会社、株式会社デイ・シイ、日鉄住金高炉セメント株式会社などのグループはNEDOプロジェクト(省エネルギー革新技術開発事業)でエネルギー消費量・CO2排出量を従来のセメントの6割以上削減するECMセメントを開発した。
(画像はプレスリリースより)
セメント製造で排出されるCO2は国内の全CO2排出量の3%強を占めている。同プロジェクトでは、施工と品質上の課題を克服するECMセメントの開発、さらにこれを利用した構造物の基礎と地上構造体の開発を目指した。
ECM(エネルギー・CO2・ミニマム)セメントは鉄鋼の製造工程で副産物として発生する高炉スラグを多量に含有し、焼成が不要。
今回、ECMセメントの組成(成分構成と粒度構成)と品質管理技術の開発に成功、また地盤改良体とコンクリート構造物への実用化を果たした。
新ECMセメントの長所は
開発したECMセメントは、高炉スラグを約60~70%も混合させたことでエネルギー消費量を大幅に削減。一般的に流通する高炉スラグ混合量40~45%の高炉セメントより、発熱が少なくて熱ひび割れ抵抗性に優れている。
実験の結果、基礎構造では地盤改良と場所打ちRC杭(掘削してコンクリートを打ち込む鉄筋コンクリート造の杭)に適用でき、地上躯体ではCFT構造(鋼管内部にコンクリートを充填)、高強度RC構造、大断面土木構造物に適用が可能だと立証できた。
また、これを用いたコンクリート構造物がエネルギー・CO2原単位を30~60%削減できることも確認。
今後は、このECMセメントの性能をさらに改善して、実際の建設物への早期適用を進めていく。
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構プレスリリース
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