水銀ランプからUV-LEDへ
メタウォーター株式会社は、2016年6月20日、光源に高出力の紫外線LED(以下、UV-LED)を用いた、浄水向け紫外線照射装置を開発したと発表した。
水道施設では、残存するクリプトスポリジウムなどの耐塩素性病原性原虫対策に紫外線照射による不活発化が有効とされ、ろ過の手法と比べ簡便でもあり導入が進んでいる。
現在、水銀の規制強化が世界的に推進されている。国連環境計画の外交会議(2013年10月)で「水銀に関する水俣条約(以下、水俣条約)」が採択され、国内でも閣議(2016年2月)で「水俣条約」の締結を決定した。
一般的な紫外線照射装置には水銀ランプが用いられているが、こうした状況から、水銀に代わるUV‐LEDを用いた紫外線照射装置が求められている。
業界初の処理水量を達成
水処理技術に実績をもつ同社は、世界トップクラスの高出力UV‐LEDを光源とする紫外線照射装置の開発に取り組み、このたび、業界で初めて1日当たりの処理水量2,000立方メートルを実現した。
この浄水向け次世代型紫外線照射装置は、安全性の高さに加えて、省エネ、長寿命というLEDの特長を生かして水道事業のコスト削減にも貢献する。
クリプトスポリジウム対策のため紫外線照射装置の導入ニーズが高まっている浄水場に対し、同社は早期の製品化で応える考えで、2017年度中の発売を予定する。
将来的には、1日の処理水量20,000立方メートル、10万人規模の給水人口を擁する大規模な浄水施設にも対応可能な装置を開発するなど、ラインアップの拡充も目指している。
(画像はプレスリリースより)
メタウォーター株式会社 ニュースリリース
http://www.metawater.co.jp/