昇圧に電力量を要した従来式
東邦ガス株式会社は、知多緑浜工場に竣工させたボイルオフガス(BOG)の再液化設備の運用を2016年6月20日に開始した。
LNGタンクではLNGの貯蔵中に一部がガス化してBOGを発生するが、タンク内の圧力を一定にするため、これを処理する必要がある。
これまで、同工場は、高圧圧縮機により昇圧したBOGを高圧の天然ガスとして送出するBOG処理方法を行ってきた。
工場全体で消費する電力量の約3分の1が、この昇圧に要する電力であること、ガス製造に用いるLNG使用量が増加していることから、BOGを液化の状態で昇圧する「BOG再液化設備」の導入を決定した。
BOGの処理を効率化
「BOG再液化設備」は、従来方式の高圧BOG圧縮機より、効率的なBOGの処理が可能となっている。さらに、同社がJFEエンジニアリング株式会社と共同開発したミキサーを採用しているため、同設備の構造をシンプルにすることができた。
工程は、LNGタンクからのBOGを中圧圧縮機で昇圧後、ミキサーでLNGに直接注入して液化する。液化したLNGをポンプで昇圧し、気化器で気化させてから高圧天然ガスとして送出する、というもの。
同設備ではBOGを従来方式の約半分の動力で処理でき、省電力化が図れると同時に、設備がコンパクト化したことでメンテナンスコストは約25%の削減が見込まれる。
(画像はプレスリリースより)
東邦ガス株式会社 プレスリリース
http://www.tohogas.co.jp/