低炭素コンクリートに対するニーズ
鹿島建設株式会社(以下、鹿島)は、2016年6月8日、建物地上部に適用できる環境配慮型コンクリート「エコクリートRBLS」を開発したと発表した。
コンクリートを構成するセメント、細骨材、粗骨材、水の中で、セメントは1トン当たりのCO2排出量が750kgとなり、全体の99%に及ぶ。建物本体の低炭素化を図るには、製造時に排出されるCO2を削減する低炭素セメントが必要とされる。
高炉セメントB種は代表的な低炭素セメントであるが、夏期高温時にひび割れを生じるなど、外気に影響されない地下躯体にしか適用されない。しかし、建物本体の6~8割程度は地上躯体が占めている。
低炭素型の建築物の普及を図る
「エコクリートBLS」は適用制限のない高炉セメントA種を改良したもので、ひび割れ抵抗性と耐久性が高く、地上躯体にも使用可能な汎用性を備えた低炭素コンクリート。
普通ポルトランドセメントの一部を高炉スラグ微粉末と新しいカルシウム系混和材に置き換えて、CO2量を約25%削減した。さらに、普通コンクリートと同等のコストを実現している。
鹿島は、「エコクリートBLS」を、2014年に1大学7社で共同開発した「ECMRコンクリート」と併用することで、低炭素型建築物の普及を図る考えである。
建設中のKTビル(CFT造)でCFT充填の「KKCコンクリート」と併用し、床スラブ前面に「エコクリートBLS」を適用した結果、地上躯体のコンクリートでCO2が30%削減され、ひび割れも確認されなかった。
すでに、都内の生コン工場からの出荷体制は確立しており、今後、「エコクリートBLS」の普及展開を進めていく。
(画像はプレスリリースより)
鹿島建設株式会社 プレスリリース
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