CO2フリーの発電システム
株式会社東芝(以下、東芝)は、2016年8月8日、総合化学メーカーである株式会社トクヤマ(以下、トクヤマ)に、100kWクラスの大型純水素燃料電池システムを初めて受注したと発表した。
純水素燃料電池システムは、水の電気分解と逆の化学反応で直接水素を用いて発電することでCO2を排出しない高効率な発電システムである。
今回、同社の製品が受注に至ったのは、電気を発生させる板状の基本部材、セルを積み重ねたセルスタックの技術を大型の燃料電池に応用し、純水素燃料電池システムの大型化を実現したためである。
低温動作が可能
同社製品は、イオン伝導性がある高分子膜を電解質に用いた固体高分子型を採用している。りん酸水溶液を電解質とする従来のりん酸型より、低温動作による起動停止がしやすく、起動にかかる時間も短い。
受注した製品はトクヤマが山口県周南市で運営するプールに設置し、2017年3月からの運転開始を予定する。
最大出力が100kWあり、施設で使用するプールの照明、ポンプの動力など、大部分の電力をカバーする。また、発電過程で生成した温水はボイラーの予熱に使用して、シャワーの水を温めることができる。
さらに、トクヤマでは苛性ソーダ工場で発生した水素を発電に利用する他、参画している環境省委託事業の「地域連携・低炭素水素技術実証事業」に、このたびの製品を副生水素の利活用検証に活用することも計画している。
(画像はプレスリリースより)
株式会社東芝 プレスリリース
http://www.toshiba.co.jp/