高濃度のSO2を排出
三菱日立パワーシステムズ株式会社(MHPS)は、西バルカン諸国で初めての排煙脱硫装置をボスニア・ヘルツェゴビナ連邦のウグレヴィック石炭火力発電所向けに供給する契約に調印したと2016年7月21日、発表した。
同発電所は、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦の2区域の1つ、スルプスカ共和国に所在し、1985年に稼働を開始した。同共和国の発電設備容量の約4分の1を占める、30万キロワットの発電出力を備えるが、燃料に用いる褐炭は硫黄含有率が高く低発熱量であるため、高濃度の二酸化硫黄(SO2)を排出する。
今回の事業は、同国の環境改善と住民の健康保護に貢献すると同時に、EU環境基準を達成し、EU加盟に向けた取り組みとするもので、日本政府の円借款案件として推進している。
コンソーシアムで受注
MHPSは、欧州拠点のドイツ・デュイスブルグ在のMitsubishi Hitachi Power Systems Europe GmbH(MHPS-EDE)およびスロベニアのプラント建設会社であるRUDIS d.o.o.とコンソーシアムを組み、同発電所の運営者、スルプスカ共和国電力公社から排煙脱硫装置設置プロジェクトを受注した。
プロジェクトでは、発電所に最新の排煙脱硫装置を取り付け、大気汚染物質の煤塵に加えて、SO2の排出量を99%削減し、EUの産業排出指令基準に即した200mg/N立方メートル以下に抑制する。
基本設計と主要機器納入はMHPS、一部欧州調達機器の納入はMHPS-EDE、現地の居日課取得、土建・据付工事はRUDISが担当する。装置は2019年7月に運転を開始する予定である。
(画像はプレスリリースより)
三菱日立パワーシステムズ株式会社 ニュースリリース
http://www.mhps.com/