君津製鐵所単独でも100万トン
新日鐵住金株式会社(以下、新日鉄住金)は、君津製鐵所でプラスチックリサイクルの累計100万トンを達成したと、2016年8月23日に発表した。
累計処理量100万トンとは、CO2削減効果では約320万トン、埋め立て処分では約400万立方メートル分を回避したことになる。
新日鉄住金がコークス炉化学原料化法によるプラスチックリサイクルを全社で開始したのは2000年で、2008年5月に100万トン、2013年11月に200万トンと順調に拡大し、2016年5月、250万トンに到達した。
同社が主に対象とするのは、2000年4月から完全施行された「容器包装リサイクル法」スキームによる一般廃棄物系プラスチック。事前処理設備として異物除去、破砕機、減容成形機等とコークス炉への装入設備を製鉄所内に設置してリサイクルを行っている。
ほぼ全てを有効利用する手法
コークス炉化学原料化法では、約1200度で高温乾留したプラスチックを安定な物質である炭化水素油(40%)、コークス(20%)、コークス炉ガス(40%)に分解・回収し、炭化水素油はプラスチック原料等に再生、コークスは製鉄原料に、コークス炉ガスは製鉄所内のエネルギーに利用するなど、ほぼ100%活用する。
この手法はコークス炉など既存の設備やプロセスを有効利用できる上に、高温で乾留するため有害物質が残留しないという利点をもつ。
現在、自治体から容器包装リサイクル協会に委託された容器包装プラスチックの約3割を全国7カ所の同社の製鉄所でリサイクルしており、君津製鐵所では、他に衣料等の繊維類や自動車製造過程で発生する塗料滓も同手法でリサイクルしている。
(画像はプレスリリースより)
新日鐵住金株式会社 プレスリリース
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