水素エネルギーシステムの活用に期待
株式会社東芝、東北電力株式会社、岩谷産業株式会社の3社は、2016年9月29日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「水素社会構築技術開発事業/水素エネルギーシステム技術開発」に採択された。
国は総発電量における再生可能エネルギーの比率を2013年度の10.7%から2030年度には22~24%まで拡大するとしている。気象条件で発電出力が変動するため、再生可能エネルギーの導入には変動を吸収する調整力が電力系統に求められる。
電力を水素に変換・貯蔵する水素エネルギーシステムは、大容量の水素を長期間保存できるため、調整力としての活用が期待されている。
新たな制御システムで運用
今回の事業では、実証エリアとする福島県内に最大1万kW級となる世界最大規模の水素製造装置を設置し、同装置を備えた水素エネルギーシステムについて、貯蔵・輸送、利活用までを含めた構成と仕様を検討して、その事業可能性を調査する。結果は2017年9月を目途にまとめていく。
水素エネルギーシステムは水素エネルギー運用システム、電力系統側制御システム、液体水素需要予測システムが協調するもので、この新たな制御システムで水素製造量や水素発電量、水素ガス供給量の最適運用を図る。
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを中心に電気を活用し、水素製造装置で製造した水素を水素発電装置により電力系統の調整力として活用する。また、液化した水素を東北エリア内外に供給する計画である。
(画像はプレスリリースより)
株式会社東芝、東北電力株式会社、岩谷産業株式会社 プレスリリース
http://www.tohoku-epco.co.jp/