従来装置は大規模駅向け
三菱電機株式会社は、2016年9月27日、余剰回生電力を有効活用する蓄電池付き駅舎補助電源装置を小規模駅向けに製品化し、新潟市に所在する東日本旅客鉄道株式会社の新津駅に初採用されたと発表した。
電車がブレーキをかけると、発電機として動作したモーターが回生電力を発生する。付近を走行する他の電車がこの回生電力を消費していたが、駅の照明や空調、エレベーター等の電気設備でもその余剰分を利用可能にしたシステムが、同社が世界に先駆けて製品化した駅舎補助電源装置。
出力が200kWに及ぶこの装置は電気設備が多い地下鉄駅や大規模駅向けであったため、負荷容量50kW以下の小規模駅の場合、回生電力はほとんど使用されずに無効となっていた。
蓄電タイプで有効活用
新製品の小規模駅向け「駅舎補助電源装置(S-EIV)蓄電タイプ」は、電車からの余剰回生電力200kWの内、駅に50kWを供給し、その残りを最大150kWまで蓄電池に充電する。
余剰回生電力がない場合に蓄電池から駅に供給するシステムで、電力を有効に活用することができる。車両・運行・路線の諸条件で変動するが、負荷容量50kWの小規模駅で1日に最大500~600kWhの省エネ効果が期待される。
現行品と同サイズの小型の筐体に蓄電池制御機器を収納しているため、設置場所の自由度を確保すると同時に、配線作業や保守点検は筐体前面から行うことができ、高い操作性・保守性をもつ。
新津駅での運用は2017年春に開始する予定である。
(画像はプレスリリースより)
三菱電機株式会社 ニュースリリース
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