加圧型で発電効率を向上
三菱日立パワーシステムズ株式会社(MHPS)は、2016年9月21日、固形酸化物形燃料電池(SOFC)とマイクロガスタービン(MGT)を組み合わせた加圧型複合発電システム(ハイブリッドシステム)の実証試験を開始した。
このハイブリッドシステムは、都市ガスを燃料に電力を発生させる際、改質して取り出す水素や一酸化炭素と空気中の酸素を反応させた後に残燃料をMGTでの発電に用いるもので、省エネ・高効率を特長とする。
SOFCはセラミックス製の燃料電池で900度の高温で作動する。MGTから圧縮機で昇圧した空気が供給されて発電した後、MGTに高温排気を送り、残燃料と合わせてその熱、圧力を発電に用いる。加圧型SOFCは加圧により電圧が増大するため、発電効率を向上させる。
2017年度の市場投入が目標
今回の実証事業は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業総合開発機構(NEDO)の助成を受けた「円筒形SOFC-マイクロガスタービンハイブリッドシステムの市場投入に向けた技術実証」(2015~2016年度)として行う。
東京ガス株式会社の千住テクノステーションにMHPSの250キロワット級の実証機を設置し、このたび火入れ式を開催した。実証試験ではハイブリッドシステムの業務・産業用の2017年度中の市場投入を目指すと共に、発電に加えて排熱を活用するコージェネレーション(熱電併給)システムとしての評価も行う。
今後、同システムを共同開発するトヨタ自動車株式会社、セルスタックの量産化を提携する日本特殊陶業株式会社、大成建設株式会社の各施設へと実証サイトを拡大し、多様な現場での運用効率や運転性、耐久性などを検証していく。
(画像はプレスリリースより)
三菱日立パワーシステムズ株式会社 ニュースリリース
http://www.mhps.com/news/20160921.html