下水道からの水素製造技術を実証
三菱化工機株式会社は、2016年10月31日、同社が関わっている「水素リーダー都市プロジェクト~下水バイオガス原料による水素創エネ技術の実証~」の技術導入ガイドライン(案)が国土技術政策総合研究所(以下、国総研)のホームページに公開されたことを発表した。
これは、福岡市、九州大学、豊田通商株式会社、三菱化工機株式会社が共同で参画した事業で、国土交通省の平成26年度の下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)に採択され、国総研からの委託研究として平成26年度、27年度に福岡市の中部水処理センターにおいて実証研究が行われた。
温室効果ガス排出削減量を削減
実証したのは、再生可能エネルギーの下水バイオガスから水素を製造して燃料電池自動車(FCV)に供給するまでの技術、「前処理技術」「水素製造技術」「水素供給技術」「CO2液化回収技術」。下水バイオガスは下水処理で発生する汚泥をメタン発酵して得る。
このたびの実証の結果、設備の耐用年数15年に対し経費回収年は10.2年。水素をFCVで使用した場合の温室効果ガス排出削減量は1日あたり1.162kg-CO2で、ガソリン車と比較すると約29%減と試算される。
「下水バイオガス原料による水素創エネ技術導入ガイドライン(案)」はこれらの技術的事項について技術・評価、導入検討、設計・維持管理などを取りまとめることで、地方公共団体などの下水道事業者が導入を検討する際の便宜を図ったものである。
(画像はプレスリリースより)
三菱化工機株式会社 プレスリリース
http://www.kakoki.co.jp/news/pdf/p161031.pdf国総研 プレスリリース
http://www.nilim.go.jp/