重油と天然ガスを燃料とするDFエンジンを開発

Hitz日立造船株式会社は、舶用2ストローク二元燃料機関(以下、DFエンジン)を新開発したと2016年10月20日に発表した。

重油と共に天然ガスを燃料に利用できるDFエンジンは、パイロット燃料の重油を極少量噴射させてできた種火に、300barの高圧で噴射した天然ガスを燃焼させる。重油のみの場合よりCO2は約25％、NOxは約15％削減でき、Soxは2ppm以下とほぼゼロを達成する。

国際運業界で厳格化する環境規制に対し、同エンジンの貢献が期待できる。2016年1月以降に建造した船にはECA(Emission Control Areas)海域でのNOx排出量に第3次規制が適用され、第1次規制値から80％の削減を求められる。

DFエンジンの開発に際し、同工場内にはDFテストエンジンと天然ガスを供給するための高圧ガス燃料供給設備(以下、FGSS)が工場南側岸壁付近に設置され、実証実験を行う実証設備として完成した。FGSSは、テストエンジンと生産工場に天然ガスを供給する。

DFテストエンジンの仕様は、天然ガスにも対応するために既設の実証用ディーゼルエンジンにガス供給系と噴射弁、制御系を増設し、カバー換装など機関上部を改造した。

まずは、年内を目途に、DFエンジンに舶用SCRシステムを組み合わせた実証実験で機関性能と環境性能を確認する。

今後、同社はCO2排出量のさらなる削減に向け舶用エンジンの低燃費燃焼技術や排熱回収技術の開発を進める方針。また、舶用エンジンの運転データの分析と予防保全に役立つ、IoTを活用した舶用エンジン状態診断装置の開発も予定する。

（画像はプレスリリースより）




Hitz日立造船株式会社　ニュースリリース
https://www.hitachizosen.co.jp/news/2016/10/002355.html