公共交通に活用
トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は、実用化に向けて走行実証を行ってきた燃料電池バス(以下、FCバス)をトヨタブランドで2017年初めに販売することを2016年10月21日に発表した。
同社は東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年には都内を中心にFCバス100台以上の導入を目標とする。まずは、公共交通としてのFCバス活用の理解を得るため、日本初となる同バスの発売を計画した。
販売する「トヨタFCバス」2台は東京都交通局の路線バスでの採用を予定する。同社は2018年以降の導入数の拡大を目指し、現在、新型の開発を進めている。
FCV向けの技術を採用
トヨタは、日野自動車株式会社と共同で取り組んできたFCバス開発での技術を「トヨタFCバス」に活かしている。同バスに採用した技術には、「トヨタフューエルセルシステム(TFCS)」と大容量外部電源供給システムがある。
前者は燃料電池自動車(FCV)「MIRAI」向けに開発したシステムで、トヨタFCスタックや高圧水素タンクなどで構成した燃料電池技術とハイブリッド技術を融合したもの。内燃機関より高いエネルギー効率と走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない環境性能とを特長とする。
後者では最高出力9kWと大容量235kWhの電気供給能力を可能とする。また、家電の電源に加え、電気配線工事を施した施設の場合には災害時の避難所での電源として利用できる。
同社はFCV「MIRAI」の市販を実現する他、今後も、FCバス、燃料電池フォークリフト、家庭用の定置式燃料電池の技術開発を進める方針である。
(画像はプレスリリースより)
トヨタ自動車株式会社 ニュースリリース
http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/13965313