効率的な教育に向けて
株式会社日立製作所(以下、日立)は、2016年10月24日、風力発電システムの保守点検員訓練施設の「日立風力保守トレーニングセンター」を日立市の日立事業所埠頭工場内に開設した。
国内の風力発電システムは、2030年までに1,000万kW以上の導入量が見込まれている。改正電気事業法により、風力発電システムの定期検査を2017年度に義務化すること、風力発電向け保守点検員を2020年までに最大で2,000人増員することが必要になる。
日立は風力発電システムの納入時に保守点検員の教育を行っており、累計で保守点検員約200名を養成してきた。この教育は講義に加え、稼働中の風力発電システムを用いた訓練で構成されていたが、稼働システムの停止する定期検査時期に限定されるため、効率性に欠けていた。
教育のニーズに対応
「日立風力保守トレーニングセンター」には、2MW風力発電システムのナセル、ハブやパワーコンディショナー、制御盤など、実際に使用されている機器と同タイプの訓練専用の機器を設置した。これらを用いて、安全具の使用方法など基本的な学習の他、模擬故障シミュレーションや部品交換訓練を実施する。
今後、保守点検員養成講座を順次開講し、高度な技術や幅広い知識の効率的な取得を目指す。講座には定期検査の頻度による点検項目や実運転風車での学習(On the Job Training、OJT)の有無に応じた3つのコースがあり、講座1回あたり4~5名で行う。
日立製品以外の風力発電システム向けの保守点検員も受講できるため、保守点検員の需要や自主的な保守・点検を望む発電事業主のニーズにも対応したものになっている。
(画像はプレスリリースより)
株式会社日立製作所 ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2016/10/1024b.html