下水熱の普及拡大を期待
積水化学工業株式会社は、2016年11月18日、大津市、関西電力株式会社と共同で下水熱利用の実証実験を開始した。
2015年7月の下水道法改正により規制緩和が行われ、民間事業者が下水管内に熱交換機を設置することが可能となり、下水熱利用システムの開発が進められている。
下水温度は年間15~25度と安定して冬に温かく夏に冷たいため、外気温との差を熱エネルギーとして冷暖房や給湯に利用すると、通常の空気熱源ヒートポンプシステムより約20~30%の省エネ性とCO2排出削減効果を得られる。
エスロヒート下水熱を活用
同社は、下水熱利用の普及拡大を目指した大津市、関西電力との共同研究で、下水熱利用の可能性調査や事業スキームの検討に取り組んでいる。
下水度管路からの採熱や処理場で処理された処理水の熱を利用する従来の下水熱利用に対し、共同研究では、下水処理場内の消毒槽で処理過程にある下水が安定した量を確保できる点に着目し、全国で初めてその有効性を実証する。同時に、下水熱採熱量の向上を図り、熱回収性能を向上させる仕組みの検討評価を行う。
実証実験では同社の未利用エネルギー活用システム「エスロヒート下水熱(管底設置型)」を用い、大津市企業局水再生センター内の消毒槽で処理される過程の下水の熱エネルギーを汚泥処理棟監視室の空調に利用し、下水熱利用ヒートポンプの性能や熱回収性能向上の検討、処理前の下水による熱回収管への付着物の影響を評価する。
(画像はプレスリリースより)
積水化学工業株式会社 プレスリリース
http://www.sekisui.co.jp/news/2016/1295611_26476.html