再生可能エネルギーの導入国
ダイキン工業株式会社は、自動デマンドレスポンス技術の実証事業をポルトガル共和国リスボン市で2016年11月に開始すると発表した。
欧州有数の再生可能エネルギー大量導入国のポルトガルは、2016年5月に国内の全電力消費を再生可能エネルギーで連続107時間供給する記録を出した。
同国の目標は再生可能エネルギーの割合を31%にすることだが、天候などに左右されて供給が不安定となるため、利用拡大には課題が残る。
空調自動デマンドレスポンス技術
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が再生可能エネルギーの大量導入に伴う電力需給安定化に貢献する自動デマンドレスポンス技術の実証を同国で実施するに当たり、欧州での空調機器の実績や自動デマンドレスポンス機能の実証経験、ビル用マルチエアコンの制御システムの実績から同社に委託した。
電力不足時の使用抑制が利用者に委ねられ、電力需給の調整が不十分な手動に対し、自動デマンドレスポンスは電力消費の上限を自動で制御して需給のバランスを調整するため、再生可能エネルギー主体の電力供給でも需給を安定化できると期待される。
同社はデマンドレスポンス機能を付加したビル用マルチエアコンをリスボン市内の市庁舎、研究所などに設置し、前日の天候やエアコンの使用状況で予測した電力需要の推移と、消費量を自動調整する制御システムとを連動させた空調自動デマンドレスポンスシステムを構築する。
また、電力供給を調整する現地の電力小売事業者や中小規模の再生可能エネルギー発電施設を統合するバーチャルパワープラント事業者と協力し、再生可能エネルギーを活用した空調機器の安定的な運転を実証する。
(画像はプレスリリースより)
ダイキン工業株式会社 プレスリリース
http://www.daikin.co.jp/press/2016/161122/index.html