省エネ型の造水システムへのニーズ
株式会社日立製作所(以下、日立)は、2016年11月18日、日本発の省エネ・低環境負荷型造水システムである、海水淡水化・水再利用統合システム「RemixWater」の実証事業を南アフリカ共和国ダーバン市で開始すると発表した。
同社は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「海水淡水化・水再利用統合システム実証事業」の委託先に採択され、2016年11月~2020年11月の4年間、海外初号機の設計・建設・運転を行う。
南アフリカ第3の都市、ダーバン市の都市部は人口集中などを原因とする水不足の深刻化と電気料金の高騰が進み、省エネルギー型の造水システムが必要とされる。
省エネと低環境負荷を両立
「RemixWater」は海水淡水化と水再利用のプロセスの統合により省エネルギーと低環境負荷を両立させた工業用水や生活用水向けの造水システム。
これまでのRO(逆浸透圧法)膜を用いた海水淡水化システムは、海水からの脱塩工程でRO膜によるろ過で高い圧力の送水を用いるため、高圧ポンプの電気代がかさんでいた。
同システムはRO膜から排出される水を水再利用プロセスで海水と混合させて塩分濃度を下げ、RO膜を通過する逆浸透圧の低下で脱塩工程でのポンプ圧力が約40%低下する。海洋に放出する濃縮水は海水とほぼ同じ約3.5%の塩分濃度まで低減する。
今回の事業でダーバン市の下水処理場内に「RemixWater」を新設し、1日6,250立方メートル、約2.5万人分の給水量に相当する造水量と同時に、従来の海水淡水化システムと比べて約30%の省エネルギー性能と低環境負荷性能の実現を目指す。
(画像はプレスリリースより)
株式会社日立製作所 ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2016/11/1118a.html