バイオディーゼルの課題
東京都市大学工学部エネルギー化学科の高津淑人准教授はバイオディーゼルの経済性を向上させる連続的生産法を開発し、日本エネルギー学会主催の「第12回バイオマス科学会議」(2017年1月18日~20日)で研究成果を発表する。
植物を原料とするバイオディーゼルは、軽油の代替燃料としての活用が広がっている。環境負荷を抑制する上に、既存車両への使用可能という実用性も評価されている。その一方で、経済的合理性と有害廃液の副生がバイオディーゼルの普及を阻害していた。
廃食油を原料に
連続的生産法は原料の廃食油を連続的に装置に供給する流通型で、従来の回分型生産法より生産を効率化し、製造措置をコンパクト化するものである。
これと併せて、有害廃液を副生しない石灰石の触媒を利用することで、バイオディーゼルの課題が解決される。
飲食店や食品加工場から大量の廃食油を確保できる都市エリアでは、ディーゼルエンジンを搭載したバスやトラックの運行も多く、バイオディーゼルの地産地消を実現しやすい。
同大では、東京から排出される廃食油を油田とする「Tokyo-都市油田」を構想し、2020年東京オリンピックが掲げる地球環境との共生を象徴する取り組みとして、この生産法の貢献を期待している。
(画像はプレスリリースより)
東京都市大学 ニュースリリース
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