NEDOプロジェクトの成果
サッポロホールディングス株式会社(以下、サッポロ)は、世界初となるキャッサバパルプを用いたバイオエタノール事業の実用化に向けて、バイオエタノール製造技術の提供とプラント設計に関するコンサルティング契約をタイ王国のInnotech Green Energy Company Limited(以下、IGE社)と、2017年1月9日に締結した。
キャッサバパルプはキャッサバイモからタピオカを抽出した廃棄物で、タピオカ輸出国のタイでは年間260万トンが排出される。
同国は2012年にエネルギー使用量の25%を代替エネルギーとし、その中でバイオエタノールを1日9,000kl導入する目標を掲げている。
キャッサバパルプがバイオ燃料に
NEDOは2011年度からサッポロビールと磐田化学工業株式会社に委託した実証事業を開始し、同国に竣工したプラントでの実証運転を2015年11月まで行った。
サッポロは、繊維分が多いためバイオエタノールの原料には不向きとされてきたキャッサバパルプに酒類製造での発酵技術を応用し、NEDOプロジェクトで持続可能なバイオエタノール製造技術の有用性を確認した。
今回の契約で同社はIGE社が建設するバイオエタノール製造プラントのプラント設計作業と技術支援を行う。プラントの製造能力は年産6万klで、温室効果ガス削減効果は年間約12万トンを見込む。これは同社が国内酒類事業で排出するCO2排出量のほぼ1年分に相当する。
今後、同社はこのバイオ燃料製造技術をキャッサバ栽培に取り組む他のASEAN諸国へと広げていく考えである。
(画像はプレスリリースより)
サッポロホールディングス株式会社 ニュースリリース
http://www.sapporoholdings.jp/