2013年3月完成か
13日報道発表によると株式会社大林組と子会社の大林不動産株式会社は、2011年4月から港区北青山3丁目で建て替え工事を進めている「青山大林ビル」について、大林組の最新技術を多数採用し、2013年3月の完成に向け順調に進行していると伝えた。その特徴の中には環境について配慮した大林組の最新技術があると言う。
「青山大林ビル」は“ハナエ・モリビル”の愛称で表参道のランドマークとして親しまれていた。しかし経年劣化や時代の変遷による設備の老朽化もあり建て替えることとなった。
環境に配慮した最新技術とは
(1)「フラマスダンパーシステム」 ダブルスキン、PCフレーム、太陽電池パネル、緑化パネルなどの建物外装材を制振装置のマス(おもり)として利用することで、耐震性と環境性を兼ね備えた「環境融合型ファサード」をつくる画期的な新技術。
(2)「クリーンクリート」 セメントの使用量を減らし、副産物である混和材を使用することで、排出されるCO2を通常のコンクリートと比較して最大で80%削減します。また、コンクリート硬化時の発熱が小さく、ひび割れが大幅に低減されるため、基礎などの大きな断面に適したコンクリートでもあります。青山大林ビルでは、躯体に適用する予定です。
(3)次世代グリッド天井システム
「エコルミLED」 従来のコンパクト蛍光ランプ(FHP45W)2灯用の従来品と比較して55%(当社高効率照明器具エコルミと比較した場合43%)の省エネ性を実現し、照明に関わるランニングコストを大幅に低減できます。
「スキットエア」 スキットエアは600角グリッド天井にすっきりと収まるよう設計された天井直付型空調機で、天井隠蔽型空調機よりもメンテナンスが容易で、オフィスレイアウトの変更にも柔軟に対応が可能です。
災害発生時にも72時間事業継続が可能
敷地内750kVAの非常用発電機に燃料を供給することで、72時間、電気を安定的に使用することができ、共用部のエレベーターや照明のほか、各テナントにも供給し照明(通常時の40%程度)やパソコンなどの電源として利用可能。テナント用の発電機スペースについても200kVA用を2台分確保している。
大林組と大林不動産は、新しい青山大林ビルが、快適で安全・安心なオフィス環境と上質な商業空間を創出し、表参道の新たなランドマークとなることをめざし、災害時の地域における帰宅困難者に対して共用部分を開放して、備蓄した飲食物、テント、ポータブルトイレなどを提供する計画としている。100名程度受け入れが可能。
大林組
http://www.obayashi.co.jp/press/news20111213_1