シアトル市議会でレジ袋廃止の条例が可決
今月シアトル市議会は、スーパーや小売店のビニール製レジ袋を廃止する条例を可決した。この条例をめぐって、何ヶ月にもおよぶ議論が交わされてきたが、満場一致で承認に至った。来年7月から施行され、エコバックの利用を積極的にすすめている。
現在日本より遅れながらも、エコバックの利用が徐々に浸透しつつある。大手スーパーマーケットやチェーンストアは、その店のロゴがついたエコバックを販売しており、値段も1ドル前後と手頃。また他店のエコバッグをどの店でも気兼ねなく使える。
問題点の多いビニール製レジ袋
アメリカの店舗では、レジ袋はビニール製と紙製の2種類を置くところがほとんどである。シアトル市民は年間およそ2億9200万枚ものビニール製レジ袋と6800万枚の紙袋を使用すると推定されている。紙袋は82%まで再生されるが、ビニール製レジ袋はわずか13%のみにとどまっている。
ビニール製レジ袋のリサイクルが遅れているのは、リサイクル用の機械に詰まるケースの多いことが一因となっている。このようなことから、多くのゴミ収集会社はビニール製レジ袋を資源ゴミとして出すことを禁止している。
たいていはスーパーの出入り口付近に使用済みのレジ袋をリサイクルする専用のボックスが設置され、これを利用するほか手立てがないのが現状である。
全米各地で広がるレジ袋廃止の動き
現在シアトルのみならず、レジ袋廃止の動きは全米に広がってきている。ロサンゼルス郡(カリフォルニア州)はレジ袋の廃止を先月から始め、同州サンノゼも来年1月から実施する。ワシントンDCではレジ袋を有料化している。
他にポートランドやユージーン(オレゴン州)、オースティン(テキサス州)、ジャクソン(ワイオミング州)などの各地でも、レジ袋廃止の動きを見せている。
海洋生物を保護するためにも
シアトルに面しているピュージェット湾では、ほとんどの水質サンプルに微量のビニール袋の成分が見つかっている。2010年には湾内にいたクジラの体内から20ものビニール袋が発見された。
この条例によって環境汚染を減らすだけでなく、ピュージェット湾を含む太平洋全体の海洋生物の保護のためにも、大きな一歩となった。
シアトル市議会ホームページ
http://www.seattle.gov/council/obrien/bagban/